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薔薇の名前

by 綾戸智恵

わたしの思い込みと言うか役の印象の強さというか。例えばもう亡くなられてしもたけど渥美清さん。もし道で彼を見かけたら思わず「あ!寅さん!」と言うてしまう。イギリスにもそんな人がいます。最初にジェームス・ボンドを演じた男、そう、ショーン・コネリーです。アンタッチャブルやインディー・ジョーンズあたりから彼を見た人には“え?彼007なの?”って言われそうやけど。007は最近ならダニエル・クレイグやピアーズ・ブロスナンさんやもんな。二代目
ロジャー・ムーアもベリー・イギリスやったなあ。でも三作目のゴールドフィンガー、強烈やった。主題歌もシャーリー・バッシーのあのバッシーとしている歌声。わたしも「ゴールドフィンガーーーーーーーーー」と少し鼻声にしてよう007ごっこしたなあ。七歳くらいやったと思う。クルマはベントレー、時計はロレックス・サブマリーナ、そしてウオッカマティーニ、憧れたー(個人的ですみません)。それプラスきれいなお姉ちゃん(ボンド・ガール)も携えて!男の鑑や。尿酸値過多、肝疾患、リウマチ、高血圧、頭痛などを患っており、医者から「長生きできない」と忠告されていながらあのプーチンも好きな柔道の猛者という夢のような(?)設定。わたしにとっては007,ジェームス・ボンドはショーン・コネリーが唯一無二やった・・・。あ、忘れてた、今回の映画のこと。

薔薇の名前(1987年公開)

監督:ジャン=ジャック・アノー 製作:ベルント・アイヒンガー 原作:ウンベルト・エーコ 脚本:ジェラール・ブラッシュ、ハワード・フランクリン、アンドリュー・バーキン	、アラン・ゴダール 撮影:トニーノ・デリ・コリ 音楽:ジェームズ・ホーナー 出演:	ショーン・コネリー、F・マーレイ・エイブラハム、クリスチャン・スレイター、エリヤ・バスキン、フェオドール・シャリアピン・Jr、ウィリアム・ヒッキー、ミシェル・ロンズデール、ロン・パールマン、キム・ロッシ=スチュアート、ドナル・オブライアン、ヴァレンティナ・ヴァルガス
監督:ジャン=ジャック・アノー 製作:ベルント・アイヒンガー 原作:ウンベルト・エーコ 脚本:ジェラール・ブラッシュ、ハワード・フランクリン、アンドリュー・バーキン 、アラン・ゴダール 撮影:トニーノ・デリ・コリ 音楽:ジェームズ・ホーナー 出演: ショーン・コネリー、F・マーレイ・エイブラハム、クリスチャン・スレイター、エリヤ・バスキン、フェオドール・シャリアピン・Jr、ウィリアム・ヒッキー、ミシェル・ロンズデール、ロン・パールマン、キム・ロッシ=スチュアート、ドナル・オブライアン、ヴァレンティナ・ヴァルガス

さてこの映画「薔薇の名前」で彼は修道士・ウイリアムという新しい姿でわたしの前に現れた。弟子役がクリスチャン・スレイター。なんとかわいいチェリーボーイの修道士を演じる。映画は少し難しく日本人には馴染みのないストーリー。師弟関係の二人が北イタリアのカトリック修道院で起きる奇々怪々事件を明かしてく。まるでシャーロック・ホームズ?!、いや、ヤツより凄い。なんせウイリアム、元007秘密諜報部員のボンドやってんから。あ、ちゃうちゃう。この映画とは関係ない。混ざってしまった。

この映画は“フランシスコ派”とか“ベネディクト派”とか聞きなれない名前がたくさん出て来るし、修道士達が奇妙だしキリスト教のこと知らんとちょっと難しいので2~3度見るかせんときつい(意味がわからない)。でも何度か見て少しづつ分かってくるとぐいぐいと引き込まれる。この修道院が自分たちの信じる教義を守るためいろんな掟を作っていく。そのなかで修道院長より上の長老が守ろうとしたのが民衆から笑いを奪うこと、これや。わろたらあかん。わたしやったら死んでしまうわ。この教会には“キリスト教会で最大の図書館!”とウイリアムが狂喜乱舞して叫ぶくらい沢山の本がある。ただ、その殆どは表に出ていない。迷路のような通路でつながった隠し部屋がありそこに集められている。キリスト教と相容れない哲学や科学や生命の話やそんな読みた-くなる本がぎょーさんある。でも決して外には出さないんや。ウイリアムたちに全てバレてしまい長老が自分とともに彼がもっとも問題としている書を自分もろとも葬り去ろうとする。ウイリアムがなぜその書なんだと問いかけると

「民衆が笑えば、神はいらなくなる」

長老が答える。恐ろしい発想や。

それをショーン・コネリーが弟子のクリスチャン・スレイターとふたりで解明する。すご~いワクワクする。死体の不気味さ、そしてチェリーボーイのクリスチャン・スレイターが貧困の極地で修道院が捨てるゴミを食べて生きているような村人の娘と初めての性行為をする。見つめ合う二人。彼女はこれまで食べ物を得るために修道士と性行為をしていたんやけど、この時はそんなんではなくただの性欲でもない。処女でなかった娘が今までとは違う本来の処女喪失の意味を知るシーンはグッと来る。今時の処女喪失論を語る教育者に見せたいぐらいや。これで聖母マリアがキリストを性交無しで産んだという話が理解できるっちゅうこっちゃ。途中に出てくる訳わからんサルバトーレ、彼もいい。あのロン・パールマンが演じている。元々ごつい顔つきで少し人間離れしたムードを持つているから適役やと思う。でもわたしは好きなタイプ。とくに「ムーンウォーカーズ」という映画では一人男前やったように思う。「ヘルボーイ」もとくとくとくにはまり役やった。という感じでこの「薔薇の名前」は脇役も凄いんです。ここに出てくる人はみんな心の奥にある自分も気づかない何かを見せてくれる。

ラストシーンで二人が修道院を去る場面。クリスチャン・スレイターがまた娘と出会い師匠と共に進むかどうするか迷う人生の分かれ道。そんな場面で師ショーン・コネリーはチェリーボーイのまんまおっさんになった修道士やのにあえて弟子の将来をぐたぐた言わない。そこが凄い。どこで人生を学んだ人や。人間は経験以外でも悟るんやと思った。この映画に出てくる修道士たちはキリストとキリスト教を利用して権力を手に入れ満ち足りた生活をしている。貧乏な村人からの税で暮らしてる。でもウイリアムはその中でも真理を探しながら、一度は自分の信念を拷問で裏切ったんやけど、やはり最後は真理、真実を追求するんや。ラストのシーンではショーン・コネリーが007からずっとファンだったわたしに「だてにジェームス・ボンドやってたんとちゃいまっせ!!」と言っているように感じた。わたしはちょっとおかしいかなあ。とにかく歳を重ねるほど男前が増すショーン・コネリーの名演技。ぜひ見てください。

P.S.最近TV見ないわたしでも坂上忍さんをよく見ます。たしかにあの顔、子役やった人や。「元々かわいいええ顔してるからどうなるんやろうなあ」なんて言ってたわたし。ジャリタレは人一倍に気ーつけて生きなあかんけど、いやーーー今、ええ顔してはる。この人もショーン・コネリーみたいに60,70とええ男になりはるんちゃうのと思った。わたしも40歳デビュー当時より60,70とええ歳取りはったわーと言われるよう良いブログやステージつとめさせてもらいまんにゃわ!

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綾戸智恵
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