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月の輝く夜に

by 綾戸智恵

以前にここに書いた「ふたりにクギづけ」にも出ていたシェールが今回取り上げる映画の主役です。実は今レコーディングしてるニューアルバム「DO JAZZ GOKKO」にも彼女、シェールがレパートリーにしている「BANG BANG」を収録予定なんです。“へー、アヤドはシェールのファンかい”と言われちゃいそうです。いやーファンというか、なんか心から離れない、なにかある人だと思う。きょーれつな第一印象とでもいうか。今回その“きょーれつ”なシェールがオスカーを取った映画「月の輝く夜に」をいきま~す。

監督:ノーマン・ジュイソン 製作:パトリック・パーマー、ノーマン・ジュイソン 脚本:ジョン・パトリック・シャンリー 撮影:デヴィッド・ワトキン プロダクションデザイン:フィリップ・ローゼンバーグ 音楽:ディック・ハイマン 出演:シェール 、ニコラス・ケイジ 、オリンピア・デュカキス、ヴィンセント・ガーディニア、ジュリー・ボヴァッソ、ジョン・マホーニー、ダニー・アイエロ、アニタ・ジレット

イタリアの人はとにかくマザコンというかママが好きだってよく言われますよね。全てじゃないかも知れないけど。でもそれには家族をつなぐ大きな意味があると思う。この映画の中にもマザコンのイタリア人が出てきます。シェールはアラフォーでバツイチ、ちょっと元気のない女、そこにモーレツにアタックする男との結婚が決まる。ところがどっこい男の弟とデキてしまう。弟役がニコラス・ケージだよ。これがまたはまり役というか。わたしなんかこの映画のニコラス・ケージ、好きなんよね。まじめな顔すればするほどおかしいの、どう言えばいいのか。なんかかわいくておかしくて、この人の味だと思う。眉を八の字にしてオペラでデートするシーンは彼でないと出来ない味が出ているとハマりました、わたし。少し脱線しました。婚約相手の弟と出来てしまうって活字で読むと下世話だけど、まあそこは映画を見てみてください。

それで兄貴のほうがマザコン。危篤で余命いくばくもないと診断されたママを見舞いに、故郷のイタリア・シチリア島に戻る。その間に、弟とシェールが出来てしまう。困ったもんや。でもお母さんが奇跡の回復をすると、結婚するとお母さんがまた危篤になると信じたお兄ちゃんはシェールとの結婚をキャンセルして欲しいと言いに来る・・・。怒ってみせるシェールやけど・・・・・。この話の間にお父さんが浮気がバレたり、お母さんがなりゆきデートして口説かれたり、それを全部おじいちゃんが見てしまったりととにかくいろいろあるんやけども、人生はやはり家族との結びつきが一番と教えてくれる。このお母さんが最高や。自分の不満とかは立場、スタンスが解消してくれるというか、意志の力でどうにでもなると示してくれる。母は強しという言葉があるけどほんとに女は生まれて娘、妻、母といろいろ歩いている。変化する中でもずっと女なんや。もちろん男性にも同じ変化はあるけれど特に女性は変化する事は大きな意味があると思う。人間味という言葉があるけど女と男、もちろん性別で多少の違いもあるんやろうけど、みんな自分のスタンスから家族の土台を作っていくということを表した映画だと思う。

イタリア人って日本人と家族に対する意識が似てるところがあると感じる。一度だけどヨーロッパに行ったことあるんだけどイタリア人はなんか身体つきも日本人と少し似てると思った。あまり大きな人いないしね(わたしは小さすぎるけど)。気候・風土が似てると聞いたこともあるしね。だからかなあ。随分昔の映画だけどソフィア・ローレンの「昨日・今日・明日」という映画があって、奥さんが妊娠している間は刑務所に行かなくて済むのでその間お父ちゃんが泥棒しまくる少しへんてこな、でも良い家族の味が出てるそんな作品もある。それに「ゴッドファーザー」と「仁義なき戦い」血のファミリーだけどこれまた人情が似てる。少しイタリア映画にハマってみませんか?

P.S. わたしが以前レコーディングしたディーン・マーチンの「That's Amore」って曲があるんだけどこの映画「月の輝く夜に」で出会って入れたんです。ディーン・マーチンもシナトラもイタリア系アメリカ人。このタイプ、ワタシかなり好きです。アル・パチーノとかもです。

おまけ。DO JAZZのレコーディングスタジオに飾ってあったシナトラ、ビング・クロスビー、ディーン・マーチンの写真。

綾戸智恵
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