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ふたりにクギづけ

by 綾戸智恵

さあ、次の映画、「ふたりにクギづけ」。
まあなんかこれ、 二人のイケメン俳優にわたしがクギづけ?いやそうではなく、ほんまにひっついてる兄弟の話です。ベトナム戦争の影響やと日本でもニュースで紹介されましたが体の一部がくっついて生まれてきてしまい手術で一人づつに・・・。 えっ、これをアメリカ映画で! と思いました。びっくりしました。ましてやその片割れ役があのマット・デイモンでした。でも彼、ちょっと耳にしただけやけど”この映画にぜひとも出たい”と自分から言ったそうです。

この映画、ひとりひとり出てる役者さんにメッセージを感じます。マット・デイモンは兄弟の片割れの役やねんけど、他にシェールがシェール役、メリル・ストリープがメリル・ストリープ役で、有名な歌手で女優やということで出ていました。そこにもびっくりです。やっぱりメッセージ性の強い映画やったんかなとも思います。そして、シリアスになってしまいかねないテーマを扱いながら、あれだけ明るくあの映画をできたのは、明るく伝えたいからではなく悲しく伝えたかったからではないかと思います。人間の気持ちってあまりに面白いと悲しみがもの凄くあと残るっていうことあると思うんですね。

この兄弟、おとなになりセックスや仕事のことなど不自由がいろいろ出てきて、やっぱりずっと二人という訳にはいきません。これは肉体的な問題だけでなく、精神的にもそういう問題がでてくる。いつか身体を切り離されなければいけない。そして最終的に切断することになるんですが、良かれと思ってやってみたら、相方のいない方にコケたりひっくり返ったりとかえって不自由な身体になってしまう。わたしはこれは別にこういうシャム兄弟を理解してくださいという映画ではなく、人というのは一人で生きていけない、誰かの支えがあって独り立ち、それが言いたかった映画ではないかと思います。一人になってしまうということは心が半分なくなったのと同じ。深い映画だなと思いました。

それとシェールの”私はもっと優しくすれば良かった”とかいうセリフも気になる。これは彼女個人のことではなく、これからの社会へのメッセージだと思います。シェールが実際どんな人か個人的に付き合いはないけどそんなにスナッビーな人でもないと思う。でも役柄として”え?私、端っこの席なの?やだわよ、大女優なのに”とか文句を言うシーンがあります。それは彼女の心から出た言葉ではなく、シェール役であるシェールがハリウッドというものを表現してやったのかなと思います。もしかしたらもっと広く人間の心の中、そんなものを表現したのかもしれません。あまりはっきり言ってしまうともったいないんですが、ただ私は映画を見る時、いつも目に見えるものではなく何かココロの中に見えるもの、そんなものを見ながら観ているようです。

実はわたしこれ最初に観てから10年後、大人になってからもう一回観たんです。そこでやっと気づいたんですよ。最初に観た時はただあの枯葉剤でできた子供のように身体がひっついた子供を見てびっくり。これはもっと色んな人に温かい目で見るようにという映画やなとその程度の理解しかできませんでした。でも皆さんはもっと深く感じることだと思います。

追伸:これに出ているマット・デイモンがジミー大西に見えてしょうがなかった。それも私には面白い点でした。とにかく、ハリウッドの役者さんて深いね。アメリカ映画、やっぱり好きなわけが分かってきた。え、 日本の映画も最近ええ感じですけどね、ここまではまだ出来ない気がする。では!

2/12-18の綾戸智恵:レコーディング中や!楽しみに待ってて!!


綾戸智恵
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